カタールW杯招致の闇を告白した証言者 FBIからの身辺保護も

明るみとなった真実

 2022年FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会開催に関する収賄などのスキャンダルを密告した元カタールのW杯招致委員会のファエドラ・アルマジド氏がスキャンダルを告発後、カタール側から脅迫されていたことが明らかになった。英国営放送「BBC」が報じた。
 アルマジドさんは、2011年にカタール側がFIFA理事3人の票を買収した疑惑を告発したが、同年に告発内容が誤っていたという宣誓文にサインしていた。
 これは、カタール側に強制されたものだったという。だが、FBIの捜査官が、同年11月に保護へと乗り出したとされる。
「彼らは、私にカタールの票集めに関するプロセスと、カタール側から私が受けた脅迫について質問しました。その時に、彼らに捜査協力することを決意しました。カタール招致に関わった高官と私が話す計画が決まりました」
 当時、シングルマザーだったアルマジドさんは、告発に踏み切った代償としてカタールサイドからさまざまな脅迫を受けていたことを告白した。そして、FBIのおとり捜査に協力することになったという。
「高官と話して、FBIはそれを記録していました。そこでカタール側が何も悪いことをしていないという宣誓書に関するディールが存在したことを彼は認めています。FIFAの秘密主義にへきえきしている」
 アルマジドさんは、カタール招致のスキャンダルの調査官を務めたアメリカ人弁護士マイケル・ガルシア氏に全ての情報を提供した。現在は、FBIに身辺警護されているという。
 ガルシア弁護士は、アルマジドさんの告発内容も盛り込まれた報告書をFIFAに提出した。だが、FIFA側は42ページの報告書とともに2018年ロシア大会と22年カタール開催の予定通りの開催を発表した。
 その後、ガルシア弁護士はリポート内容に2年間の調査内容と異なり、不完全な内容がある声明を発表している。

【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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