浦和ユンカーが語る「ストライカー論」…日欧の“決定的な違い”とは? 日本人3選手を絶賛「欧州でもプレーできる」と太鼓判

浦和FWキャスパー・ユンカー【写真:Getty Images】
浦和FWキャスパー・ユンカー【写真:Getty Images】

【独占インタビュー】日欧における文化的な背景も影響「そこはかなり違う部分だと思う」

 浦和レッズのデンマーク人 FWキャスパー・ユンカーは、2021年4月に加入すると来日1年目のシーズンで公式戦32試合16得点とゴールを量産した。「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じた点取り屋は、ストライカーとしての資質について語った。そこにはヨーロッパと日本サッカーにおける文化的な背景の違いもあると指摘している。(取材・文=轡田哲朗/全3回の2回目)

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 ユンカーの父はデンマークのプロリーグでもプレーしていたといい、そのポジションはストライカー。それは、プレーヤーとしての生まれ育ちに大きな影響を与えているという。

「僕は生まれつきのストライカーだと思う。父もストライカーだったので、僕のサッカーは生まれた時からシュート、ゴールに向かってボールを蹴るところから始まった。タックルなどではなく、シュートだね。サッカーチームに入った時から、ストライカーとしてのプレーしかやっていないんだ。攻撃について、点を取る部分以外の話を周りから振られても、正直あまり強い興味は湧かない。周りの指導者や選手がストライカーという資質、生まれつきの部分を理解してくれてプレーさせてもらえるのが理想だと思う。そこは、なかなか変えられる部分ではないからね」

 そのうえでユンカーはストライカーとしての自分に必要な感情と、ヨーロッパと日本のサッカーに対するメンタリティーの違いについて語った。

「日本とヨーロッパとの違いは、向こうでは自分の感情や怒り、熱意を常に表現していかなくてはいけないこと。そこはかなり違う部分だと思う。日本では誠意を持って堅実にという感じで、その部分では上手く順応できていると思う。

 ここに来た時に感じたのは、自分の感情を抑えてサッカーをしなくてはいけない部分が日本では大きいかなということ。ヨーロッパでは文化的に、ストライカーは時折、ちょっと気難しかったりうるさかったり、別の生き物という感じが許される。ただ、日本ではストライカーだからといって特別扱いされないので、そこに適応するのが大事なのかなと感じる。感情を殺さないといけない部分では、ストライカー的なセンスを少し殺さなければいけない感じになって、多少難しさもあるかもしれない。

 もちろんボックスの中では、冷静であることが大事だと思う。ただ、個人的にはストライカーとしてベストなのは怒りを感じている時で、得点のために怒りのエネルギーがある時が一番自分らしくプレーできている。それは相手DFを打ち倒そうというトライに必要なことだし、そこを制御されると少し難しい部分が出るかもしれない。本能的な部分を信じてもらう、信頼を受けてプレーできると一番やりやすい」

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