日本代表の平凡プレーは「モットー」 英記者、低パフォーマンスへ見解「これが森保Jだ」

チャンスがありながら2得点に終わった中国戦の出来に疑問符【写真:Getty Images】
チャンスがありながら2得点に終わった中国戦の出来に疑問符【写真:Getty Images】

チャンスがありながら2得点に終わった中国戦の出来に疑問符

 これでワールドカップ(W杯)アジア最終予選4連勝。理論上、森保一監督は問題を解決し、今年開催されるカタールW杯出場に向けて日本代表を再び軌道に乗せたように見える。

 しかし、中国戦の勝利は満足のいくものではなかった。組織的で、統制がとれていたとはいえ、相手は攻撃面で何もできず、1人1人のクオリティーは日本のどの選手よりも劣っていた。そんな相手にこのようなパフォーマンスでは、勝ち点3を獲得できたこと以上の喜びはない。

 日本は特にファイナルサードにおいて、ペースを変える能力を欠いていた。また、ゴールを奪う機会を何度も作り出していたにも関わらず、クオリティーと意思決定力を欠いたためにそのチャンスを無駄にしていた。

 伊東純也のスピードは中国の守備陣を圧倒していた。彼があれほどのパフォーマンスを見せたことに驚きはない。彼がPKを獲得したプレーやゴールシーンは平凡なパフォーマンスに終わった日本代表のなかで数少ないハイライトだった。

 来週の火曜日(2月1日)にはサウジアラビアとの厳しい試合が控えるなかで、日本のパフォーマンスはプロフェッショナルで、あまり苦労せずに勝ち点3を獲得したことで日本がいい立ち位置にいると感じた人もいるだろう。それも当然だ。

 確かにその通りだろう。中国を蹴散らし、エルベ・ルナール監督が率いるより完成度の高いチームとの対戦に向けて照準を合わせることができたのは大きな意味を持つ。しかし、日本はすでに予選でサウジアラビアに敗れている。

 実際、中国戦は難しい試合ではなかった。ピッチのいたる所にスペースがあり、日本が大量得点を決めることもできたはずだ。しかし、試合に緊迫感はあったか? ダイナミズムはあったか? 伊東が右サイドを駆け抜ける姿以外にそれらはほとんど感じられなかった。

 もちろんポジティブな要素もある。緊急事態のセンターバックでコンビを組んだ谷口彰悟と板倉滉はうまく機能していた。しかし、中国の攻撃力の低さを考えると、彼らの守備力をテストする場としては不十分だったと言えるだろう。

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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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