ムバッペの優勝決定弾、“悲痛ルール”に反発の声拡大 海外元レフェリーも「変えるべき」

ムバッペの決勝弾に多くの意見が飛び交っている【写真:AP】
ムバッペの決勝弾に多くの意見が飛び交っている【写真:AP】

UEFAネーションズリーグで勝利したフランス、ムバッペの決勝弾で議論噴出

 UEFAネーションズリーグは決勝でフランスがスペインに2-1で逆転勝利を収め、2代目王者となって幕を閉じた。しかし、決勝点となったFWキリアン・ムバッペのゴールがオフサイドだったのではと物議を醸した。主審の判定ではなく、ルール自体への反発の声は大きく、海外の元レフェリーも「変えるべき」との声を挙げている。

 一進一退の攻防が繰り広げられ、1-1のタイスコアで迎えた後半35分だった。フランスは左サイドでDFテオ・エルナンデスが縦パスを送り、これに抜け出したムバッペがGKとの1対1を制して決勝点をマークした。

 この場面でエルナンデスがパスを出した瞬間にムバッペはオフサイドポジションにいたものの、その手前でスペイン代表DFエリック・ガルシアが意図的にプレーして伸ばした足にボールが触れていたため、オフサイドにはならなかった。競技規則上、「オフサイドポジションにいる競技者は、相手競技者が意図的にプレーしたボールを受けた時、意図的なハンドの反則を犯した場合も含め、利益を得ているとはみなされない。ただし、意図的なセーブからのボールを除く」と定められており、アンソニ・テイラー主審の判定は正しいものだったと言える。

 上記の競技規則に関しては2013年に改正されたものだが、ネーションズリーグ決勝という大舞台での一件で改めて注目される形となった。フランス人の元国際主審、ブルーノ・デリアン氏はフランス「RMCスポーツ」で現行のルールは変えるべきだと主張している。

「ゲームの精神に反していると言えます。これは馬鹿げたルールです。レフェリーのミスではありません。変えるべき悲痛なルールです」

 敗れたスペインのキャプテンMFセルヒオ・ブスケッツも試合後には「ムバッペはオフサイドだったが、レフェリーはエリックがボールを奪いに行ったことで新しい局面になったと言った。しかし、それでも筋は通っていない。彼はムバッペがあそこにいたからボールをカットしようとしたし、ムバッペがオフサイドだと思い込んでいた。ディフェンダーなら誰でもボールをカットしようとするはずだ」と不満を漏らしていた。

 ルールは分かるが、これではフットボールにならないというのがプレーしている選手の本音なのだろう。今後もさらなる議論が続いていきそうだ。

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