死闘で見せた“気概”、「感性が合わなかった」選手は? NZ戦出場16人を金田喜稔が採点

U-24ニュージーランド代表にPK戦で勝利したU-24日本代表【写真:Getty Images & AP】
U-24ニュージーランド代表にPK戦で勝利したU-24日本代表【写真:Getty Images & AP】

PK戦を制してベスト4進出、谷と吉田に“5つ星”評価「チームを救ってくれた」

 U-24日本代表は7月31日、東京五輪サッカー男子の準々決勝でU-24ニュージーランド代表と対戦し、0-0のまま迎えたPK戦を4-2で制して2大会ぶりのベスト4進出を決めた。地力で勝る日本が、序盤から主導権を握りながらもフィジカルの強い相手の堅守に苦戦。何度か訪れた決定機を決めきれず、逆にあわや失点という危険なシーンも作られた。最終的にPK決着となったベスト8の死闘を、識者はどのように見たのか。
 
「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した16選手を5段階(5つ星が最高、1つ星が最低)で採点。「チームを救った」とPK戦で決定的なセーブを見せたGK谷晃生と、失点危機を防いだDF吉田麻也の2人に“5つ星”評価を与えた。

   ◇   ◇   ◇

<FW>
■林 大地(サガン鳥栖/→後半24分OUT)=★★★

 チーム全体のラインが下がるなかで林にとっては難しい試合になった。守備時に前から行く回数も少なく、行けたとしても2列目と連動した動きを見せるシーンはいつもより限られていた。攻撃面でも前半10分の遠藤への決定的なクロスから得点が生まれていたら彼自身も波に乗れたかもしれないが、屈強なニュージーランドのDFを前に思うように起点を作れず。シュート0本という結果は、やはりストライカーとしては物足りない。

<MF>
■相馬勇紀(名古屋グランパス/→後半24分OUT)=★★★

 左サイドで積極性を見せ、前半は対峙した相手との1対1で縦に仕掛けてクロスという形は作っていたが、徐々に相手にも読まれ、カバーリングなども含めて上手く対応されてしまった印象だ。サイドアタッカーとして、もう少し選択肢の幅が欲しいところ。もっとも攻撃面でリズムを出せない時間帯でも、献身的な守備でチームに貢献していた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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