“三笘級”のインパクトを残せるか 2021年Jリーグ、ブレイク候補の「逸材ルーキー6人」

浦和に新加入MF伊藤敦樹(左)と鳥栖にユース上がりのMF相良竜之介【写真提供:ⒸURAWA REDS & GettyImages】
浦和に新加入MF伊藤敦樹(左)と鳥栖にユース上がりのMF相良竜之介【写真提供:ⒸURAWA REDS & GettyImages】

今季期待のルーキーを選出、新生浦和のボランチで台頭する大卒1年目MF伊藤敦樹

 2021シーズンのJリーグが、J1は26日、J2は27日、J3は3月14日に開幕する。新型コロナウイルスの影響を受けて例年とは異なる状況でのスタートとなるが、各クラブには今年も多くのルーキーが加わった。昨季は川崎フロンターレのMF三笘薫が、J1のルーキー最多得点タイ記録となる13ゴールを奪い、ベストイレブンにも選出される活躍を見せた。今季同様のインパクトを残す逸材は現れるのか。プロ1年目ながら、各チームの主力になり得るルーキー6人を紹介する。(文=河治良幸)

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■伊藤敦樹(流通経済大→浦和レッズ/MF/22歳)

 流通経済大を経て加入したアカデミー出身の選手で、センターバックもボランチもできる。“恩師”である大槻毅前監督への感謝を忘れないが、リカルド・ロドリゲス新監督の下で申し子的な存在になっていきそうだ。実際にプレシーズンキャンプから高い戦術理解力を示して、指揮官の評価を高めている。

 キャプテンのMF阿部勇樹との2ボランチも補完関係はバッチリ。中盤の守備に加えて、サイドバックやセンターバックのDF槙野智章が攻め上がった背後のカバーリングも柔軟だ。いわゆるポジショナルプレーをベースに、5レーンの理論を落とし込むスタイルは流通経済大のコーチだった曺貴裁氏(現・京都サンガF.C.監督)から叩き込まれており、その部分のアドバンテージは大きい。

 ロドリゲス監督が就任して、チームとしてもベースを作る段階にある。連係面で試行錯誤の部分も多々あるが、そうしたなかでも攻撃面でチャンスに直結する配球ができるようになってくれば、大型ボランチとして代表クラスに飛躍していくかもしれない。

■小柏 剛(明治大→北海道コンサドーレ札幌/FW/22歳)

 今年の大卒ルーキーではナンバーワンの呼び声が高い選手で、鹿島アントラーズのDF常本圭吾やFC東京のDF蓮川壮大など、総勢12人のJリーグ内定者を輩出した明治大でも筆頭格と言える。昨年は特別指定選手としてJ1で4試合、ルヴァンカップ1試合を経験しており、プロの強度は体験済みだ。

 小気味良いボールタッチと俊敏な動きを駆使した高速ドリブルからの正確なシュートを最大の武器としている。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下でオフ・ザ・ボールの動き出しにも磨きをかけており、フィニッシュのバリエーションを増やしている。

 1年目の目標はチーム内得点王という小柏。下級生の頃から主力を張っていた気鋭のアタッカーにとって、MF安部柊斗(FC東京)やMF瀬古樹(横浜FC)など明治大で一緒にプレーしていた先輩たちがルーキーイヤーから活躍していることは、刺激にも自信にもつながっているはず。憧れの選手は元アルゼンチン代表のFWカルロス・テベス(ボカ・ジュニアーズ)だが、身近な目標としてはMF三笘薫(川崎フロンターレ)の名前もあげており、開幕前の時点で最も昨季の“三笘に近いルーキー”と言えるかもしれない。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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