中島翔哉、小5で“空中エラシコ”に周囲は驚嘆 練習の鬼が見せた意外な姿【ルーツを辿る】

寡黙な中島少年が見せた意外な一面 「同じ学年の女の子がいて…」

 寡黙で、自分と向き合い練習に打ち込むタイプの中島。“独りよがり”と見られることもある中島だが、小澤コーチは少年時代に周囲に気を配る姿を見てきた。「優しい子」と話すには理由があった。

「翔哉と同じ曜日に同じ学年の女の子がいた。ゲームをやっている時に女の子も翔哉と同じチームで彼女は初心者だったけど、翔哉がドリブルで全員をかわして、最後は触るだけというパスを彼女に出していた。僕らコーチが初心者の子にゴールを決めさせるようなことを翔哉がやっていた。子どもは負けたくないから初心者の子に決めさせようというような余裕がないけど、翔哉はやっていた」

 中島にとってサッカーを通じて戦う仲間は、何よりも大切なもの。現在は、ポルトガルの強豪ポルトから移籍を決断し、再び中東で戦うことを決意した。中島にとってポルト時代は、決して前向きな状況ではなかったと周囲からは見られる。だが、本人にとって悔しさはあれど、ネガティブな気持ちはないと小澤コーチが証言する。

「翔哉はどんなに厳しい状況でも諦めない。リオ五輪前に怪我した時があって、その時のことを聞くと、つらかったのかと思ったら『楽しくリハビリしていた』という言葉が返ってきた。厳しい状況の時に『つらい、つらい』と言ってても、上手くいかないと彼は思っている。今の状況は、はたから見ればあまり良い状況とは言えないと思うけど、本人はポジティブにとらえていると思う。だから今後も切り開いていくと思う」

 幼い頃から自身と向き合うことから一度も逃げなかった中島。技術の高さだけでなく、精神面も育ててきたからこそ、どんな困難にでも立ち向かえる今がある。UAEでの新たな挑戦にも屈せず戦い抜くはずだ。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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