【ACL帯同記】横浜FM、カタール遠征の裏側 再開初戦の“劇的勝利”を支えたスタッフの奮闘と誇り

天野選手がACLのエンブレム前で自撮り撮影【写真提供:横浜F・マリノス】
天野選手がACLのエンブレム前で自撮り撮影【写真提供:横浜F・マリノス】

【短期連載|第2回】「これがACLだね」 アウェーの洗礼ならぬACLの洗礼!?

 世界中を巻き込む新型コロナウイルスの影響で3月に中断されたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が、中東カタールでの異例となるセントラル開催でついに再開した。昨季のJリーグ王者である横浜F・マリノスは、25日に行われた上海上港(中国)との再開初戦でMF天野純が試合終了間際に劇的なゴールを決めて1-0と勝利し好スタート。その裏ではチームスタッフたちが選手を支えるべく、“楽しく”奮闘していた。レギュレーションが変更され、ちょっとしたアクシデントも起こったACLの舞台裏を、帯同するチームマネージャーの矢野隼平氏が執筆する短期連載。第2回は、初戦の試合前日から当日までをお届けする。

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 カタールでの生活も4日目。少しずつ体が慣れてきたところで、上海上港(第3節)との試合前日を迎えました。試合の前日は公式行事が盛りだくさん。午前中にスタジアムインスペクション、公式会見、GSCM(グループステージコーディネーションミーティング)が実施されました。私はオンラインで実施されたGSCMへ出席するため、スタジアムインスペクションと公式会見には帯同しませんでしたが、帯同したスタッフから聞いた話を交えてご紹介します。

PCR検査を受ける短期連載の執筆者・矢野隼平さん【写真提供:横浜F・マリノス】
PCR検査を受ける短期連載の執筆者・矢野隼平さん【写真提供:横浜F・マリノス】

 と、その前に、大会期間中、数日に一度実施されるPCR検査が、朝食後に実施されました。私と主務の山崎慎さんで検査員のサポートをしつつ、1人ずつ順番に受検者を呼び込んでいくのですが、ここでもトラブルが起きたのです。「あれ? (大津)祐樹のキットがない」。そう、大津祐樹選手のキットが見当たりません。そしてさらに、俺のもないじゃん……。

 はい、そうです。私のキットも見当たりませんでした。登録上、チームマネージャーがリストの最初に記載されているので、検査員の方からは「1番上の人もいないね(笑)」と笑われ、「こらこら、笑っている場合じゃないでしょ!」と私も笑いながら返しました。なんやかんやで大津選手と私の同い年2人のキットは至急準備していただき、滞りなく検査を終えました。これもまたACLの思い出ですかね。

インスペクション中に撮影したスタジアム【写真提供:横浜F・マリノス】
インスペクション中に撮影したスタジアム【写真提供:横浜F・マリノス】

 通常であればACLはスタジアムでの前日練習があります。しかし、コロナ禍のセントラル開催ではメディアの方々に集まっていただくことが難しく、今回は実施なし。その代わりに約30分間のインスペクションがチームごとに実施されました。要はスタジアムの下見です。ピッチ状態の確認はもちろん、スタジアム内の様々な箇所の導線を確認します。通常であればファン・サポーターの方々の導線も確認するのですが、無観客開催のため、今回はありませんでした。

 2月に開催された全北現代モータース戦では、約600名のファン・サポーターに韓国までお越しいただいたので、「この導線は複雑過ぎる」、「入場口が少ないので、キックオフまでに入り切れない」と全北スタッフに交渉したのが懐かしく感じられました。インスペクションに帯同したスタッフからは、「こんなに良いスタジアムだから、サポーターに来て欲しかったなあ」という声も聞かれました。我々はグループステージの全試合がアル・ジャヌーブ・スタジアム(Al Janoub Stadium)での試合となるので、グループステージ中のインスペクションはこの日のみでした。

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