「絶望的な気分だった」 ブラジルの英雄リバウド、“日韓W杯”開幕直前の秘話告白

2002年の日韓ワールドカップで背番号10を背負った元ブラジル代表FWリバウド氏【写真:Getty Images】
2002年の日韓ワールドカップで背番号10を背負った元ブラジル代表FWリバウド氏【写真:Getty Images】

フェリペ監督は大会直前までリバウドとデニウソンの起用に悩む

 2002年の日韓ワールドカップ(W杯)では、ブラジル代表が圧倒的な強さを見せて通算5度目の世界一を成し遂げた。その攻撃の中心となったのがFWロナウド、FWロナウジーニョ、そしてFWリバウドのトリオ“3R”だった。だがリバウドによると、もう少しのところで彼は大会開幕直前にブラジル代表を離れるところだったという。米スポーツ専門局「ESPN」が報じている。

 リバウドは日韓W杯でブラジル代表の10番をつけ、5得点を挙げる活躍を見せてブラジルを2大会ぶりの世界一に導いた。だが、リバウドによると大会直前までルイス・フェリペ・スコラーリ監督は、ロナウド、ロナウジーニョとともに先発で起用する選手を迷っていたという。

「この話は初めて明かすが、W杯が近づいても私は自分が先発になるか分かっていなかった。それはフェリポン(監督)もそうだった。彼が誰が先発するかをメディアにも話さなかったから、悲しかった。私とデニウソンのどちらかのはずだった。メディアはデニウソンのことを褒め称え、フェリポンのなかでも順位が上だった。でも、彼は何も言わなかったから絶望的な気分だったよ。

 私は本当に優勝したかったし、プレーしたかった。でも、時間で言えば後半44分にフェリポンは私を呼び、(W杯初戦の)トルコ戦で私を先発起用すると言ってくれた。それがなければ、私はチームメートを集めて『もし彼が私を先発にしなければ、飛行機に乗って帰国する。ここを離れる。フェリポンが何も話してくれないことに納得がいかない』と言うつもりだった。でも最後に彼は、トルコ戦で先発起用してくれたんだ」

 このトルコ戦にフル出場したリバウドは、後半42分にPKを決めて2-1の勝利に貢献。ここからブラジルは快進撃を見せて、7戦全勝での優勝に辿り着いた。もし、フェリペ監督がリバウドを開幕戦で起用せずにいたら、ブラジルの5度目のW杯優勝は実現しなかったかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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