早くもシーズン自己最多記録に並ぶ5ゴールを挙げ、ロストフのチーム得点王として君臨

　ロシア1部ロストフの日本代表MF橋本拳人は、今季リーグ戦9試合に出場して5得点とゴールを量産している。本職は守備的MFながら、チーム得点王を独走する状況に同僚からも「同僚は僕をFWと呼ぶ」とクラブ公式インタビューで明かしている。

　FC東京の下部組織で育った橋本は、2012年にFC東京のトップチームに昇格。ロアッソ熊本での約2年間での武者修行を経て、15年にFC東京へ復帰すると、当たり負けしないフィジカルの強さと鋭いボール奪取、ダイナミックな攻撃参加を武器に定位置を確保した。

　2019年には日本代表にも選出され、Jリーグを代表するボランチに成長した橋本は、今年7月にロシア1部ロストフへの移籍を決断。新天地でも中盤のレギュラーを獲得している。

　現地時間18日に行われたリーグ第11節アフマト・グロズヌイ戦（3-0）でも、インサイドハーフの一角に入った橋本は前半24分、右サイドのスローインからつないで回ってきた浮き球のボールをファーサイドで合わせ、打点の高いヘディングを敢行。シュートは相手GKの逆を突き、ゴール右隅に決まった。

　早くもFC東京時代の2017年にマークしたシーズン5得点の自己記録に到達し、リーグトップタイの決定率33.3％（3得点以上挙げている選手が対象）とストライカーばりの数値を残している橋本。ロストフ公式サイトのインタビューで“ゴール量産”について語っている。

「（シーズン自己記録は）嬉しいけど、チームメートが僕を助けてくれ、良いパスを出そうとしてくれているおかげ。チームメートは時々、（冗談で）僕をFWと呼びます。でも、僕はFWでなく、守備的MFだと言っています。得点できているのは、常に相手のペナルティーエリア内で攻撃に参加しようとしているからだと思います」

　2002年の日韓ワールドカップにロシア代表の一員として出場したヴァレリー・カルピン監督の下で、攻撃力にいっそう磨きをかけている橋本。その快進撃はまだまだ続きそうだ。