“岡崎流”ストライカー論 欧州3カ国を経験して実感、日本人FWが海外で輝くための条件とは?

ウエスカFW岡崎慎司【写真:Getty Images】
ウエスカFW岡崎慎司【写真:Getty Images】

【岡崎慎司インタビュー|第5回】34歳FWが語るストライカー論 「プレミアでの体をそぎ落とした」

 歴代の“日本人ストライカー”で、最も海外で輝きを放った1人であることは間違いないだろう。ウエスカの日本代表FW岡崎慎司は、初めてのスペイン挑戦となった2019-20シーズンで12得点を奪い、チームの2部優勝に貢献した。開幕当初に所属したマラガが財政難に陥り、選手登録ができない状況になるなど波乱の幕開けとなったが、移籍市場の締め切りギリギリで加入したウエスカでも、ベンチスタートの時期を乗り越えチーム最多ゴールを記録。“助っ人”として結果を残した34歳FWが、「Football ZONE web」の独占インタビューに応じ、スペイン挑戦1年目を振り返った。第5回は「“岡崎流”ストライカー論」について語った。

 新シーズン、岡崎はスペイン1部に挑戦する。清水エスパルスから2011年にブンデスリーガ1部シュツットガルトに加入。13年にマインツへ移籍し、15年からはプレミアリーグのレスターでプレーした。そして、加入1年目で奇跡のプレミア制覇を経験。4シーズンにわたってイングランドで戦い抜き、34歳でスペイン2部へやってきた。この国で海外は3カ国目。実際、スペインの地を踏んで感じたことがあったという。

「イメージ通りというのはあった。個人の技術の(高さに対して)驚きはありましたね。2部でも密集地でボールを(相手に)取られなかったりとか、GKからちゃんとパスを繋いでビルドアップする。自分が思っていたよりも(実際の技術の高さは)超えてきたところはあったけど、みんなが抱くイメージだった。でもやっぱり、より激しい印象。練習にしても、試合にしても。本来は、『繋ぐサッカー』のイメージがあるから、スマートな展開かと思ったら、練習でも試合でも削るし、退場も多い。やっぱり荒いというのは感じましたね。でも実際行ってみたら、技術も高いしそのうえディフェンスも激しい。だからドリブルする選手もトラップする選手も、技術が磨かれているのかな」

 技術の高いスペインでゴールを奪うために、まず岡崎が取りかかったことは「もっとキレを出すというところ」だという。プレミア時代は屈強なフィジカルを持つ相手に対して、鍛え上げてきたが、肉体を“スペイン仕様”に改造。「プレミアでの体をそぎ落として、一瞬で勝負できるような体作りを1年間やってきた」と、技術でも戦えるようにした。

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