なでしこW杯制覇、9年前の「おとぎ話」にFIFA再注目 「日本は偉大なチームだった」

2011年女子W杯を制したなでしこジャパンにFIFAが再脚光【写真:Getty Images】
2011年女子W杯を制したなでしこジャパンにFIFAが再脚光【写真:Getty Images】

日本中が歓喜に沸いた2011年女子W杯決勝から9年、FIFA公式が特集

 なでしこジャパン(日本女子代表)が2011年のドイツ女子ワールドカップ(W杯)で優勝を果たしてから、17日で9年が経った。これを受けて、国際サッカー連盟(FIFA)公式サイトは「日本のおとぎ話の最終章」と題した特集記事を掲載。決勝を戦った日本とアメリカ双方の選手のコメントを交えながら、日本中が歓喜に沸いた世界制覇の瞬間を振り返っている。

 フランクフルトで行われた決勝は、スピードとパワーで優るアメリカが序盤から猛攻を仕掛け、日本は女子サッカー界の“女王”を相手に二度リードを許す苦しい展開となった。だが後半36分にはMF宮間あやが、延長後半12分にはエースのMF澤穂希がゴールを決めて食らいつく。そしてPK戦では、GK海堀あゆみが2本のキックを止める活躍を見せて3-1でアメリカを下し、大会初優勝を飾った。

 女子W杯の歴史に刻まれた9年前の名勝負を、FIFA公式サイトは「感動的で予想外の勝利だった」と綴り回想。なでしこジャパンが下馬評を覆して世界一を成し遂げた原動力については、「私たちは国のために何かしたいと思っていた。自分たちのためだけにプレーしていたわけではなかった」というGK海堀の言葉を掲載しながら、大会前に発生した東日本大震災の被災者を勇気づけたい気持ちで日本の選手たちが戦っていたことを紹介している。

 さらに、「日本は偉大なチームだった。何か大きな力が彼女たちを突き動かしていたように思う」(GKホープ・ソロ)、「アメリカ以外の国が優勝するとしたら、私は日本が優勝してくれたのは嬉しいし誇りに思う。私たちは優勝する運命にあったと思うが、それはおそらく私たちのではなく日本の運命だったのかもしれない」(FWカーリー・ロイド)と、アメリカ女子代表の選手たちのコメントも引用しながら、驚異的な粘りを見せた日本の戦いぶりを称えている。

 また、FIFA女子W杯の公式ツイッターも、「2011年女子W杯決勝でのホマレ・サワの美しいヒールフリックを覚えていますか? 彼女が延長後半12分に決めたビューティフルゴールは、優勝につながるPK戦へと日本を導きました」とのコメントを添えて、澤の同点ゴールの動画を掲載している。返信欄には「まだ覚えている」「どうやったらこのゴールのことを忘れられるんだ? 自分が知る限りで最も偉大でマジカルなゴールだ」など、称賛のコメントが寄せられている。

 9年が経過した今でも、当時のなでしこジャパンが見せた輝きは全く色褪せることなく、世界のサッカーファンの記憶に鮮明に刻まれているようだ。

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