目指せ“和製ロナウジーニョ” 清水MF中村慶太、技術の根底を支える“サッカー小僧魂”

清水エスパルスでプレーするMF中村慶太のサッカーの哲学とは【写真:小林 靖】
清水エスパルスでプレーするMF中村慶太のサッカーの哲学とは【写真:小林 靖】

【中村慶太インタビュー|中編】身体能力から技術に目覚めた転機は中学時代の恩師の言葉

 新型コロナウイルスの影響により世界各国でリーグ戦が中断となる最中、エイバルの日本代表MF乾貴士が連日、サッカーがしたくてもできないサッカー少年・少女に向けてSNSにテクニック動画を投稿して話題となった。同様に、日本でもJリーガーを中心に現役選手たちが感嘆する動画がツイッターで公開された。

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「バケモンおった」
「天才です」
「やはり君はエグい」

 称賛が相次いだリフティング動画の投稿者は、清水エスパルスのMF中村慶太だ。目にも留まらぬ流れるような足技をいとも簡単にこなす“サッカー小僧”の哲学に迫った。

   ◇   ◇   ◇

 中村がサッカーを始めたのは7歳の時。「兄がやることをなんでも羨ましいと思う年齢」の当時、サッカーを始めた3歳年上の兄に続くように、地元・千葉県大網白里市を拠点とするスポーツ少年団の増穂FCに入った。

「小さい頃は足も速かったし、身長も高かったので、思い通りにサッカーができました」

 そんな身体能力を武器としていた中村が、テクニックに目覚めたのは中学時代だった。読売クラブ(現・東京ヴェルディ)ユース、高校サッカー界の強豪・習志野高、そして北海道コンサドーレ札幌の前身・東芝サッカー部でプレーしてきた加藤竜大氏を監督に迎えて新設されたARTISTA FCで、“こだわる”重要性を叩き込まれたという。

「地元でクラブを立ち上げて一期生としてやっていたんですけど、とにかく『こだわれ』と口酸っぱく言われました。そこで、技術では誰にも負けたくないと思ってすごく努力しました。自分も何一つ負けたくないタイプの人間なので(笑)。加藤監督に出会えたことが、僕のサッカーのスタイルとかすべてを変えてくれたと思います」

 ずっと参考にし、憧れてきたのは、稀代のテクニシャンとして世界を魅了した元ブラジル代表MFロナウジーニョだ。中村は今でも忘れられない衝撃を受けたシーンがあるという。

「見ていて楽しませることができる選手になりたいとずっと思っていて、キック一つ、トラップ一つにこだわり続けてきました。だから、ロナウジーニョが大好きでしたね。特に2005年のクラシコ(レアル・マドリード戦)で、ハーフウェーラインを越えたあたりから1人でドリブル突破して決めたゴールは凄かった。あの時の相手は(スペイン代表DF)セルヒオ・ラモスだったと思いますけど、トップ・オブ・トップのチームのディフェンスを緩急とシザースで簡単に抜いていくので、鳥肌が立ったのを覚えています。日本で言えば、全盛期の小野伸二選手。違いを見せられる選手として参考にしていました」

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