「二度とプレーできなくても…」 ディ・マリア、怪我に泣いた14年W杯の舞台裏告白

2014年W杯当時のアルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリア【写真:Getty Images】
2014年W杯当時のアルゼンチン代表MFアンヘル・ディ・マリア【写真:Getty Images】

チームは準優勝も自身は8強ベルギー戦で負傷交代 「自分は終わったと感じた」

 富と名声を得た世界トップクラスの選手にとっても、ワールドカップ(W杯)だけは何ものにも代えがたい大舞台であるようだ。2014年ブラジルW杯で準優勝を果たしたアルゼンチン代表の一員として戦ったMFアンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)が母国メディアの取材に応じ、怪我に泣かされた同大会でのエピソードを語っている。英紙「デイリー・ミラー」が報じた。

 同大会で順調に勝ち進んだアルゼンチンは、準々決勝で優勝候補の一角と目されていたベルギーと対戦。前半8分にFWゴンサロ・イグアイン(ユベントス)が決めたゴールでわずかに上回ったアルゼンチンが1-0で勝利し、1990年のイタリアW杯から24年ぶりとなるベスト4進出を決めた。しかし、この試合でディ・マリアは右太もも裏を負傷し、前半33分に途中交代。準決勝以降のプレーは難しくなっていた。

 当時の状況についてディ・マリアは、アルゼンチンのテレビ番組で「脚の状態は万全ではなかった」と怪我の影響を認めつつ、「でも僕はプレーしたかったし、二度とサッカーができなくなったとしても全く問題なかった。ああいった怪我は、他の人たちにとってはよくあることの一つかもしれないけど、僕からしたら世界の終わりみたいなものだったよ。自分は終わったと感じたね」とも語り、怪我によって戦線離脱を余儀なくされたことに大きく落胆していたことを明かした。

 しかし、同選手は自身の願望よりもチームの勝利が優先されるべきだと考えていたようで、アレハンドロ・サベーラ監督との面談の場では、泣きながら「自分は100%の状態ではない」と自身の状態について正直に明かしたという。このため、サベーラ監督は同選手の代役としてMFエンソ・ペレス(リーベル・プレート)を起用することを決断し、ディ・マリアにとってのブラジルW杯はベスト8で終わることとなった。

 当時26歳だったディ・マリアは、W杯前に行われたUEFAチャンピオンズリーグでレアル・マドリードの一員として優勝を果たすなど、キャリアのピークと言える時期にあった。それだけにブラジルW杯での怪我は、本人にとってはいまだに忘れることのできない苦い出来事のようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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