24年目で初の出来事 “永遠の王子”トッティが開幕戦をベンチで眺める

試合は1-1の引き分け

 イタリア・セリエAのヴェローナ対ローマの一戦は22日、全カードの中で先行して行われた。“開幕の中の開幕”と表現された試合は、ヴェローナが昨季2位のローマに対してホームで奮闘。1-1のドローに終わった。
 そして、この試合には、もうひとつのエピソードが存在した。ローマで24シーズン目を迎えた“永遠の王子”元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティが、ベンチで戦況を見守ったまま90分間を終えたのだ。
 イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」によると、トッティが開幕戦をベンチで眺めているだけで終わったのは、24シーズン目にして初めてのこと だという。1994年には17歳にしてフォッジア戦でスタメン出場。決勝点を挙げて1-0の勝利に貢献した。それ以来、96年と02年の開幕戦はベンチスタートながら、途中出場でピッチに立った。97年、03年、08年はけがなどの理由でメンバー外だった。それ以外の年と、09年以降は、スタメン出場を続けてきた。
 しかし、今季の開幕戦ではベンチにいながら出場機会が訪れないという事態となった。チームは4-3-3システムを採用。前線は、新加入FWのエディン・ジェコ、モハメド・サラーにスピードスターのジェルビーニョを加える布陣で臨んだ。途中、サラーとジェルビーニョは交代でピッチから去ったが、交代ボードに背番号「10」が記されることはなかった。
 ガゼッタ紙は、「アウェーとはいえ勝ち点3が欲 しい状況の中で、スピードのある選手を投入しようとしたリュディ・ガルシア監督の判断は理解できないものではない」と、論評。ただし、残り20分ほどを完全に引いてブロックを作って守りに入ったヴェローナ相手に、技術と創造性を備えるトッティがピッチに送り込まれていれば、状況を打開できたかもしれない。
 38歳のトッティに対し、ガルシア監督はリーグ戦をフルに戦わせるのではなく、重要性の高いゲームに合わせてコンディションを整えて起用する方針だと伝えられている。シーズンが進む中で、その輝きを見せてくれる瞬間は必ず訪れるはずだ。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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