レスターの人種差別発言男に大甘裁定!? クラブは罰金と再教育を発表
英代表FWに対するクラブの調査終了
レスターのイングランド代表FWジェイミー・ヴァーディが、7月末にレスター市内のカジノで東洋人と思わしき男性客に人種差別用語の「ジャップ」を連発した問題で、クラブは罰金のペナルティーに加え、人種問題啓発のトレーニングを命じたと発表した。
レスターは今季開幕戦となったサンダーランド戦で4-2の勝利を挙げた。その先制点を挙げたストライカーが、レスター市内のカジノで東アジア人と思わしき男性客に向かって人種差別用語を連発した動画を地元メディアが公開したことで、社会問題と化していた。イングランドの反人種差別団体「キック・イット・アウト」はクラブに抗議し、ヴァーディも「僕は心の底から自分が引き起こしたすべての侮辱を謝罪したい。後悔すべき失敗で、自分が全責任を背負っている」と謝罪文を発表。クラブ側も調査を行う方針を明らかにしていた。
そして、レスターは声明文で「クラブは高額の罰金と、人種問題啓発のトレーニングプログラムを受けることを命じた」と発表した。
今季開幕前にはナイジェル・ピアソン前監督の息子を含む3選手のタイで人種差別的な動画が流出し、指揮官とともに解雇されていた。フットボール界では人種差別問題撲滅の動きが高まり、社会問題となる中、ヴァーディは解雇や出場停止などの厳罰は免れるという“大甘裁定”となった格好だ。
クラブは「ジェイミーはクラブと自分の職業とレスター市に対する責任というものを再認識した。罰金は地元のチャリティー基金に寄付されることになります。クラブはこの件についてこれ以上のコメントは差し控えるつもりです。本件は終了したものとみなします」と発表した。
日本代表FW岡崎慎司は今週、ヴァーディと直接会談を持ち、謝罪を受け入れたと英衛星放送「スカイ・スポーツ」も報じていた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images