VARでの“オフサイド判定”が近い将来導入か イタリア審判委員長が示唆「肯定的」

名レフェリーとして知られたリッツォーリ氏がオフサイドとVARの関係について言及

 イタリアで審判委員会の委員長を務めるニコラ・リッツォーリ氏が、オフサイドとビデオ・アシスタント・レフェリー制度(VAR)の関係について言及している。イタリアのラジオ番組「ディージェイ・フットボールクラブ」で語った。

 リッツォーリ氏はUEFAチャンピオンズリーグやワールドカップの決勝を担当した名レフェリーとして知られ、現場を離れた今はイタリアの審判委員長を務めている。リーグ戦で導入されたVARについて批判されることも多いが、メディアに登場した今回はオフサイド判定への将来的な導入を示唆している。

「カメラの配置にも依存するため、最小限の誤差であることが必要です。しかし、映像によってプレーが検証可能な場合は、決定が変更される。そうでない場合は、フィールドでの決定が維持されなければなりません。ただし、我々は経験を積んだことで、ミスジャッジの範囲を減らすことができるだろう。現在、新しい技術的な支援でオフサイドの問題に取り組んでいます。それが製品を改善すれば、オフサイド判定への導入は肯定的なものです」

 サッカーの判定において、接触プレーは最終的に人間の判断という主観が入るものだが、ボールがラインを越えたか否かとオフサイドについては客観的な正解があるものだ。前者はゴールラインテクノロジーという形で極限までミスジャッジを減らしているが、オフサイドについても技術的な進化があれば映像判定によってミスジャッジを減らすことができるとしている。ゴールシーンに直結する判定が多いのがオフサイドだけに、疑惑のゴールをさらに減らす可能性が十分にある。

 また、ピッチ上の審判団とVARの関係について「同じ哲学を持っていなくてはならない」と、判定の一貫性を保つためにも双方の判定に対するアプローチをすり合わせる必要があるとの見解を示している。

 サッカー界において、今年6月のロシア・ワールドカップ本大会でも導入が予定されているVARは、近い将来は当たり前に存在するものになるだろう。判定に関わる時間の短縮などの課題も多いが、オフサイドなどVARにより正解が導き出されるプレーが増えることは、サッカーの将来にどのような影響を与えていくのだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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