「あの人こそが大阪桐蔭の象徴」 選手たちが手本とする同校OBのJリーガーとは?

連動性の高いサッカーを目指す大阪桐蔭 OBの川崎MF阿部のプレーを研究

 学生スポーツで「大阪桐蔭」と聞くと、各競技で圧倒的な個人能力を持つ選手が躍動するイメージが強いだろう。ただ第96回全国高校サッカー選手権大会に9年ぶり2度目の出場を果たした同校サッカー部を見る際には、その先入観を取り払う必要があるかもしれない。利他的なメンタリティーとコンビネーションで崩す大阪桐蔭サッカーに影響を与えているのは、昨年初めて日本代表に名を連ねた、あのOBの影響も強い。

 2日に行われた2回戦の羽黒(山形)戦。大阪桐蔭はFW今岡陽太、FW菊井悠介の2トップがそれぞれ2ゴールを挙げる活躍で6-0と大勝を飾った。ただし6得点中4得点がPKを含むセットプレー絡みのゴールということもあり、チーム内ではそこまで満足感は高くないようだ。実際、菊井は試合後にこのように振り返っている。

「結果は良かったんですけど、内容がまだまだ自分たちの理想とは遠いです。自分自身の長所として、中盤で一度ボールに触ってテンポを作ってからゴール前に飛び出して得点を奪いに行くところと考えています」

 ゴール前だけで勝負するのではなく、幅広いプレーエリアで攻撃に好影響を与える。想起されるのは同校OBで、現在川崎フロンターレに所属するMF阿部浩之だ。関西学院大学、ガンバ大阪を経て2017年に川崎に移籍した阿部は、流動性あふれる攻撃スタイルにピタリとハマり、主力としてプレー。キャリアハイとなるリーグ戦初の二桁得点(10ゴール)を決め、J1優勝に貢献。昨年末に行われたE-1選手権の日本代表にも選出された。そんな先輩の活躍は、選手にとっても励みになっている。

「前線の選手にとってみれば、阿部選手は大阪桐蔭の象徴、『あの人こそが桐蔭の選手なんだ』という想いもあります。プレーはよく見て参考にさせてもらっています。人も使えたり、自分自身も使われることもできますから」

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