日本代表FW浅野が苦闘の中で見出した“突破口” ブンデス1部初得点に見えた成長の跡とは

ドイツ2年目のシュツットガルト浅野、前節ハノーファー戦で待望の一撃

 ドイツのサッカー専門誌「キッカー」は、11月24日に行われた第13節ハノーファー戦(1-1)のMVPに、シュツットガルトの日本代表FW浅野拓磨を選出した。ブンデスリーガ1部での初ゴールを含め、攻撃の起点として好プレーを披露していたことが評価された。

 1トップで先発出場した浅野は前半24分、キャプテンのMFクリスティアン・ゲントナーのミドルシュートを相手GKがファンブルしたところに詰めて押し込んだ。GKのミスに完全フリーでのシュート。決めて当たり前と言われればその通りだが、なぜその時にその場所にいたのか――。そこを紐解くことが、浅野の現在地を知ることにつながるはずだ。

 ハノーファーはシュツットガルトと同じ今季の昇格組ながら、FWからの組織だった守備とカウンターが機能し、第14節終了時点で10位につけている。第10節では格上のドルトムントに4-2と快勝。ブンデス屈指の強豪が調子を落としていたとはいえ、なす術なく4失点を喫した姿は記憶に新しい。守備は堅く、特にCBを務めるセネガル代表MFサリフ・サネ(196センチ)、U-21ドイツ代表DFヴァルデマール・アントン(189センチ)の二人は空中戦と1対1に滅法強い。まともなぶつかり合いでは、攻撃側はどうしても分が悪い。

 そんなハノーファーの守備陣を、どのように攻略するのか。

 シュツットガルトのハネス・ボルフ監督は、本来レギュラーで長身FWのシモン・テローデを1トップで起用する選択肢もあった。だが、それよりも浅野の俊敏さと抜け目なさに賭けた。一気にトップギアに上げることができる浅野のスピードは、日本人選手の中で抜きん出ているだけではなく、強者揃いのブンデスリーガでも異色のレベル。しかし、その武器も使いこなせなければ意味がない。加入したばかりの頃は、芝の深いグラウンド環境と相手のハードな守りに苦しめられた。

 

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