ハリルが挑む「ポスト香川」の賭け 今も解き明かせない現代表で輝けない理由

欧州遠征メンバーから外れた“3人”で、最も分かりにくい香川の招集外

 日本代表の欧州遠征メンバーから、FW本田圭佑(パチューカ)、FW岡崎慎司(レスター)、MF香川真司(ドルトムント)の3人が外れている。これまで代表を牽引してきた3人が、これでロシア・ワールドカップ(W杯)のメンバーから外れると決まったわけではない。ただブラジル、ベルギーとの試合で招集しなかったのは、バヒド・ハリルホジッチ監督の構想において、彼らは高い優先順位にないということだと思う。

 主に右サイドで起用されてきた本田は、チーム戦術に最適な選手とは言えない。ハリルホジッチ監督が、このポジションに求めているのは「スピード」と「運動量」だ。本田には「経験」と「技術」と「決定力」があるが、それが第一に求められているものではない。両ウイングに重用されているFW浅野拓磨(シュツットガルト)、FW乾貴士(エイバル)、FW原口元気(ヘルタ・ベルリン)、FW久保裕也(ヘント)といった選手との比較で明らかだろう。

 岡崎の1トップに関しては、ファーストチョイスがFW大迫勇也(ケルン)ではっきりしている。ハリルホジッチ監督の日本代表は9人が引いて守備をするので、前線に残る選手にはキープ力が必須になる。ここで2秒間ほどキープできないと、押し上げができずカウンターにならない。岡崎は本田ほど規格に合わないわけではないので、FW杉本健勇(セレッソ大阪)やFW興梠慎三(浦和レッズ)とのポジション争いになる。

 本来のポジションで言えば本田は「トップ下」、岡崎は「サイドハーフ」が最適ではないかと思うのだが、ハリルホジッチ監督は今まで二人をそこで起用したことがない。ただ、右サイドの本田、1トップの岡崎が現状の序列において上位でないのは不思議ではない。分かりにくいのは香川の招集外だ。

 

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