ACL3試合のデータに見る日本勢の長所と短所 鹿島、浦和、川崎、G大阪の新スタイルとは?

浦和はシュート成功率、川崎はパス数突出

 また、3試合で32チーム中最多11ゴールを挙げている浦和は攻撃の数値に特徴が出た。パスワークを武器にするイメージの強い浦和だが、前述のとおりポゼッション率は決して高くない。また、意外にもトータルのパス数1327本は4チームで最も少なく、パス成功率も80%を超えたものの鹿島に次いで低い。しかし、浦和で突出しているのはシュートの成功率だ。

 浦和は3試合で26本のシュートを放っているが、そのうち6割以上の17本が枠内シュート。そして11本がゴールになっている。シュート成功率42.3%は、出場32チーム中最も高い数値で、2位以下のチームを16%以上引き離す。また、地上戦と空中戦のデュエル勝率が両方とも50%を超えているのは日本勢で浦和のみで、フィジカル面でも劣らない戦いを見せていることが浮かび上がる。

 その一方で、ともに勝ち点3の3位で折り返すことになった川崎フロンターレとガンバ大阪は、良い数値を出しているデータこそあるものの、日本勢の中では明らかに低い数値のデータが散見されている。

 敵地で2試合が組まれた3戦を3引き分けと勝ちきれないイメージが色濃い川崎は、まさにそのとおりのデータが残っている。トータルパス数2044本は32チーム中でもトップ。その成功率も86.6%と非常に高い。平均ポゼッションは66.7%と驚異的な数値を残している。常に主導権を握りながらゲームを進めていることが一目瞭然になった。

 だが、攻撃の最終局面の数値は伸びてこない。トータルシュート数は30本と浦和をやや上回る程度で、枠内シュートは14本と半数を下回る。3ゴールのシュート成功率はわずかに10%と、20本をペナルティーエリア内から放ちながらの数字としては厳しい。それだけに、シュートの決定率さえ上がってくれば一気に爆発する可能性を秘めている。昨季までのエースFW大久保嘉人が移籍した穴を、新主将のFW小林悠が2ゴールで埋めているものの、それに続くストライカーの出現がカギになりそうだ。

 

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