波乱の主役となった東海大仰星、初の選手権4強で味わった守備の差 「王者になるには堅守が重要」

東福岡の連覇を阻み挑んだ準決勝で、青森山田に1-2と惜敗

 準々決勝で昨年度王者・東福岡の連覇を阻んだ東海大仰星(大阪)の快進撃は、同校初となった全国高校サッカー選手権ベスト4の舞台で幕を下ろした。全国屈指の激戦区である静岡を勝ち抜いた藤枝明誠を1回戦で下して波に乗ると、2回戦では昨夏の高校総体ベスト16の鹿島学園(茨城)に無失点勝利。3回戦は3年前の優勝校である富山第一(富山)に2-0で快勝し、ハイライトとなった準々決勝で東福岡に1-0で競り勝ち、4年ぶり5度目の出場にして初の準決勝まで駆け上がった。

 東海大仰星の持ち味は、4試合で1失点の堅陣と、少ないチャンスを確実に決める決定力の高さにある。昨年12月のプレミアリーグ・チャンピオンシップを制した優勝候補、青森山田(青森)との準決勝でも、この特長を存分に発揮して互角の勝負に持ち込んだ。シュート数でも4本多い9本を放ち、特に終盤の猛攻は王者を何度も慌てさせたが、あと一歩及ばなかった。

 34歳の中務雅之監督は清々しい表情と謙虚な言葉で、勝つことの難しさをこう表現した。「全国大会の決勝進出を懸けた戦いは初めての経験でした。すべての戦況に備えて練習してきたつもりでしたが、(もっと)いろいろ(な戦い方が)備わっていないと勝ち上がれないことを学びました」と記者会見の冒頭で述べた。

 準備してきたのに、決勝点は十分に警戒していたセットプレーから奪われた。前半41分、青森山田のMF郷家友太が左から投げ入れたロングスローがゴール前で混戦となり、DF小山新のシュートを東海大仰星のGK宮本一郎がいったんは足で阻止したが、MF高橋壱晟にこぼれ球を蹴り込まれた。

 準々決勝で正智深谷が喫した決勝点と全く同じ形だった。

 

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