GKで主将は48校中3校…そのうちの2校“帝京長岡対徳島市立”でPK対決、互いに認め合う好勝負に

敗れた帝京長岡の深谷「相手のGKの方が外させたという意味で上だった」

 チームをけん引するキャプテン同士が、全てを背負って戦った一瞬だった。第95回全国高校サッカー選手権は31日に各地で1回戦が行われ、浦和駒場スタジアムの第2試合、帝京長岡(新潟)と徳島市立(徳島)の一戦は、1回戦16試合で唯一のPK決着となった。

 48校の出場校の中で、GKがキャプテンを務める学校はわずかに3校だが、そのうちの2校が対戦し、1-1と同点のままPK戦にもつれ込んだ。組み合わせ抽選会で隣の席だったという帝京長岡の深谷圭佑と徳島市立の佐野雄亮は、深谷が引いたクジの直後に佐野が引き、1回戦の対戦が決まっていた。導かれるかのようにして、その2人がコイントスを行い、それぞれにゴールを守った。

 試合中の大歓声とは打って変わり、キッカーがボールをセットするとスタジアムは静寂に包まれた。スタンドのちょっとした物音や、テレビ中継のアナウンサーの声まで鮮明に聞こえるような環境に、「PKは決めて当たり前で失うものはない」と思っていた佐野も「自分の心臓の音しか聞こえなくなった」という。

 そのPK戦は、帝京長岡の2人目のキッカーであるDF齋藤日向のキックがゴール左に外れ、他の全員が決めて徳島市立がPK5-4で勝利。それでも深谷は「同じGK、キャプテンとして負けたくない思いがあったけど、相手のGKの方が外させたという意味で上だった。もっと思い切って飛ぶことができれば、止められたと思う」と、相手の力量を認めて唇を噛んだ。

 

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