ドルトムント監督が主将への壮絶なブーイングに言及 「相反する2つの感情」に理解示す

「この状況は気持ちのいいものではないが…」

 しかしフンメルスとともにテンポよくパスを繋ぎ、ヴォルフスブルクを追い詰めた同僚とは異なり、サポーターの反応は違った。ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェに続く、サポーターにとっては不倶戴天の宿敵への、主力の悪夢の移籍が繰り返されようとしている。それは決して許せるものではなかった。

「ファンが不満を声に表現したくないということは考えられない。相反する感情をスタジアムで感じることができた。最初はボールを持つたびにブーイングをしていた。だが、しばらくすると多くの観衆は拍手でブーイングをかき消そうとしていた。自分のスタジアムで、キャプテンがそんな雰囲気と対処しなければいけないのは気持ちのいいものではない。ブーイングと侮辱的な歌の間には、大きな違いがあると思っている」

 トゥヘル監督はフンメルスの行動について、プロ選手として一定の理解を示してきた。侮蔑的な歌には批判的なスタンスだったが、スタジアムに響いたブーイングに関しては自業自得と認めている。そしてファンの間に、献身を続けてきた功労者に対する愛情と、裏切られた怒りという2つの大きな感情が渦巻いていることも理解している。

 リーグ戦の残り2試合、そしてDFBポカール決勝でバイエルンと戦うドルトムント。罵声にまみれた裏切りの主将は、最後に待ち受ける因縁渦巻く戦いでハイパフォーマンスを発揮できるだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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