なでしこ次代のエースが背負う使命感 1得点1アシストの岩渕「チームを引っ張れる存在になる」

消化試合となったベトナム戦で初先発 待望の1勝に貢献 

 なでしこジャパンの次世代エースが、再出発のゲームを先制ゴールで勝利に導いた。7日のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選、第4戦のベトナム戦はキックオフ前に予選敗退が決定して臨んだ悲しい一戦だった。FW岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン)は今予選で初めてスタメンのピッチに立つと、2トップの一角として躍動。先制ゴールを挙げる活躍を見せた。

 前半39分、DF上尾野辺めぐみのパスからMF中島依美が左サイドを抜け出し、グラウンダーのボールを中央に供給した。走り込んだ岩渕が冷静に決め、先制ゴールを奪った。不運なPKで同点とされた後の同45分には、DF有吉佐織の右クロスを岩渕がペナルティーエリア内でトラップすると、丁寧なボールを落とした。そこにフォローしたMF大野忍が左足ダイレクトで豪快に蹴り込んだ。岩渕は1ゴール1アシストの結果を残し、後半21分に交代でピッチを退いた。

「勝てたことは良かったと思います。もう1点取れる場面もありましたし、まだまだやらなくてはいけないのが素直な感想です。(後半にあった決定機の)ヘディングは決めなくてはいけなかったので、しっかり練習して頑張ります」

 ベビーフェイスのアタッカーはそう語った。

 6チーム中2位以内が五輪本大会に出場できる今回の予選で、初勝利が4戦目というのはあまりにも遅かった。女子サッカー界では最大の世界大会と位置付けられる五輪出場権を逃したことについて、「残念ですけど、自分たちはこれからの女子サッカーを大切にするという意味でも、全員で戦おうという気持ちで今日を戦えた。残念ですけど、新たなスタートを切らないといけないと思います」と語った。残念という言葉を2度重ねながら、必死に未来を見据えた。

 

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