昨季MVPの広島MF青山が示した自信 今季初タイトルを手繰り寄せたブレない試合運び

圧倒的な勝負強さ

 まさに試合巧者という戦いぶりだった。昨季のJリーグ王者サンフレッチェ広島は20日、ゼロックス・スーパーカップで天皇杯チャンピオンのガンバ大阪に3-1の勝利を収めた。2点のリードを奪い、1点を返された直後にセットプレーで追加点を決めて突き放す戦いぶりには、王者の風格が漂った。キャプテンのMF青山敏弘は、その勝負強さの秘訣(ひけつ)を「ブレないこと」だと語っている。

 前半、G大阪はコンパクトな守備ブロックを築き、広島の縦パスをカットしてのカウンターを狙っていた。ボランチに入った青山は「ガンバの良さはカウンターなので、ミスなく ビルドアップをしつつ、サイドから攻めていこうと意思統一した」と、ゲームプランを語った。その言葉通り広島は、特に中央で網を張るガンバの守備陣にカウンターのチャンスを与えることなく、右サイドのMFミキッチを使いながら攻撃を仕掛けた。

 「90分を通して勝てればいいという感覚」で、我慢の前半を終えた。すると後半6分には狙っていた右サイドからの攻撃でFW佐藤寿人が先制ゴールを挙げた。同12分にFW浅野拓磨が決めたPKも、左サイドを切り崩したことがPKの判定につながった。前半からの狙いを後半も継続したことで試合を優位に運んだ。さらに、1点差とされた5分後の同28分には、右コーナーキックからFWピーター・ウタカが貴重な追加点を挙げた。反撃に出るG大阪の勢いに飲みこまれない強 さが、勝利を引き寄せたのだ。

 

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