ベンチ要員からリーダーへ 「本田の活躍でミランはCLの夢を取り戻した」と伊メディア絶賛

罵声は賛美へ 「サンシーロ恒例のブーイングの時は過ぎた」

 3日のパレルモ戦で先発フル出場し、公式戦9試合連続でスタメン出場を続けているACミランの日本代表FW本田圭佑。開幕当初は得点に絡むプレーが少ないことで批判を受けたが、徐々に献身的なプレーがイタリアメディアでも評価されつつある。イタリアのサッカー情報サイト「カルチョメルカート・コム」は「本田がミランの新たなリーダー」と特集している。

 地元記者のアンドレア・ディスターゾ氏は「このような状況になると誰が思っただろうか?」との書き出しで本田の現状を説明している。「本田の活躍によりミランはチャンピオンズリーグへの夢を取り戻した。目を奪われるような選手ではないが、ここ数カ月の嵐を乗り越えてミランのシンボルになろうとしている。この瞬間、最も旬な存在である」と論じた。

 本田はかねてから「トップ下が自分の家」と公言し、2トップの背後に位置するプレーを望んでいる。記事でも本田がトップ下でのプレー願望を理解した上で、今のミランで与えられている右サイドハーフとして重要な役割を果たしていると記した。

「バッカ、ニアング、ボナベントゥーラといった選手たちを生かす、その持ち味を強化するために、時として3人目のボランチとして守備面で貢献できる本田の存在はあまりにも貴重だ。パレルモ戦を見ても分かるように、右サイドではアバーテの攻撃参加を効果的に生かすこともできる。チームメートや監督と多くの言葉を交わすタイプではないが、その全てはピッチ上に表れている。戦術的にも、ミランの中でリーダーと言える存在だ」

 記事にあるように、パレルモ戦の先制ゴールは本田がボールをキープして時間を作り、その間にオーバーラップした右サイドバックのイニャツィオ・アバーテにパスを供給。アバーテの低いクロスに対して2トップのエムベイエ・ニアングとカルロス・バッカが走り込み、最終的にバッカがゴールした。アバーテとのコンビネーションの良さは昨季からも目立っていた。本田の前にスタメン出場の多かったアレッシオ・チェルチ(ジェノアへ移籍)は独力での突破にこだわったが、スピードと局面打開能力の欠如を自ら認めた背番号10は連携という強みを発揮している。

 

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