岡崎慎司が激白 この4年で痛感した日本の弱点と次の4年で必要な「日本人らしさ」からの脱却

中盤上位の日本は「今のはいいパスだったなと言われる」文化

 昨年6月のコンフェデ杯第2戦のイタリア戦は、日本人の記憶に強烈に残った。あの試合で世界が近づいたと、やれると信じていたのは岡崎だけではない。

 今回のワールドカップで日本人サッカー・ファンが味わった失望感はまさにここに起因する。コンフェデで見たイタリアとの激闘。世界の超一流との接戦で生まれた希望と期待。しかし岡崎はコンフェデもワールドカップ本番に比べたら「中途半端」だったと語る。それはコンフェデ王者のブラジルの末路から見ても真実だろう。さらに、一旦は2―0としたあの試合で、勝利をもぎ取ろうとしなかったメンタリティの甘さも実感した。

 長友は日本帰国後「ワールドカップを見ることはなかった」と記者団に話していたが、岡崎は見た。日本帰国後、挨拶回りで多忙な日を送り、全試合を見ることはなかったというが、見ると「つい見入ってしまった」という。ぱっとテレビをつけた瞬間から、ワールドカップというサッカー界最大の祭典で、全選手が全知全能を振り絞る試合を見て、「自分たちが出せなかった部分をみんな出せていて、そういう部分を見て、悔しく思った」と語る。

 そしてブラジルでの日本代表のサッカーを振り返った。

「海外でやっていると、マインツでも、雑なボールでもどんどん出してもらえる。だから昨季、15ゴールも決められた、輝けたと思うんですよ。けれども日本代表にはそれがない。

 日本は正確すぎるんです。(中盤の選手が)これは無理だと思ったら、そこからは絶対出てこない。前からそこは違うと思っていたが、それはそれで日本のスタイルだから、その中で自分のやるべきことをやろうと思っていた。でも、今回の負けで、やっぱりそれじゃいけないと思い直したんです。

 それに、正確すぎる、慎重すぎる日本の攻撃って、相手にとってはそれほど脅威じゃなかったと思うんです」

 岡崎は、日本のサッカーは中盤上位だという。「中盤にいい選手がいて、中盤をやりたいという選手も一杯いる」と。また、点を決めるより、そのお膳立てをした選手が、「今のはいいパスだったなと言われる」文化もあるとも指摘した。

 確かに日本人は、単に結果というより、そのプロセスとディテールを重んじる民族だろう。単に勝利を望むだけでなく、スキルや戦略を楽しむ。しかしその民族的な好みが、ゴールを奪えないサッカーにつながっているのではないだろうか。

 

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