「牽引車の轍~クラブリーダーのバイオグラフィー~」vol.4 池谷友良(ロアッソ熊本・代表取締役社長) 覚悟が紡ぐ人とのつながり

 

クラブは今、どこに向かい、何を目指しているのか。

先導者たる社長やGMを知れば、自ずと未来は見えてくる。

リーダー自身の“来し方行く末”を聞く連載の第4回。

男はいつだって、覚悟と意志を貫いてきた。

だからこそ、何にも代えがたい信頼関係が生まれたと信じて疑わない。

今回は、選手・監督・GMを経て現職に就いた“跳ね馬社長”の登場だ。

 

人生を左右した人とのつながり

 サッカーどころの静岡に生まれ、ごく自然にサッカーと出会い、柏で選手時代を含めて約20年を過ごし、そして今、熊本に来て11年目になります。私のこれまでの歩みを振り返った時、人とのつながり、人との関係が人生を大きく左右してきたとあらためて思います。

 浜名高校の先輩だった久米一正さん(現名古屋グランパス代表取締役社長)には中央大学、そして日立製作所に引っ張られました。現役引退時には、当時監督だった碓井博行さんの強い要望で、コーチとして指導者人生を始めさせてもらいました。

 そしてロアッソ熊本との出会いは2004年11月。同年途中に柏レイソルの監督を退任していた時のことです。私がS級ライセンスを取得した時の講師であり、U-15日本代表コーチにも推薦してもらった田嶋幸三さん(現FIFA理事)から、「地元の熊本でJを目指すクラブがあるから話を聞いてほしい」と打診されたんです。

 正直に言えば、翌年はまた柏に戻ることが既定路線でした。でも恩人の田嶋さんからの紹介ということでむげにできず、まずは関係者に話を聞くだけ聞いてみようと。その時、熊本の関係者が将来のビジョンを熱く語る姿、「サッカーで熊本を元気にしていきたい」という地域への熱い思いを訴える姿に心を動かされました。レイソルで「強いチームを」「勝てるチームを」という声ばかりを聞いてきた私にとって、すごく新鮮でしたね。

 

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