早くもうるさ型の英メディアを抑え込んだファン・ハール 香川真司が生き残るための2つの鍵とは

香川に求められるものとは何か

 マンチェスター・Uでのサバイバルは、ファン・ハールが展開する規律が高いトータル・フットボールに、香川がしっかり対応できるのかということが、まず第一の課題になるだろう。

 技術的にはもちろん「その能力がある」と考えたい。テクニックは、とくにボールを扱う能力に関しては、マンチェスター・U内を見渡しても、日本代表MFと肩を並べる選手はルーニーとマタの2人だけだろう。

 昨季のマンチェスター・Uでモイーズに冷遇された、W杯で輝けなかったというイメージは確かにマイナスではあるが、ファン・ハールはそういうイメージより、自分の目を信用する監督だ。

 実際、無名だった若手を多く起用してきた実績があり、選手を見る目には定評がある。というか、そこがこの監督の最も優れた能力だろう。そういう意味では、ファン・ハールが、ファーガソン監督も認めた香川の能力を、どう評価するのか、そこは非常に興味をそそる。

 またファン・ハールは「選手が私の哲学に沿ってパフォーマンスができるか見たい」、「選手としての経験も大切だが、人間としての経験も重要だ」とも語っている。

 豪腕で知られるオランダ人名将は、選手に絶対の忠誠を求めることでも知られる。

 そのファン・ハールが「監督してみなければ分からない」という部分は、その個々の選手の性格であり、心の底からチームに忠誠を尽すことができるかというものだろう。

 だから、「人間としての経験も重要」という発言も生まれる。つまり、監督の方針、哲学に絶対服従できるという精神面での適性が、香川にとってマンチェスター・U残留の第二の鍵になるはずだ。

 

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