清武ら歴代代表選手も苦しんだ、続発する「第5中足骨骨折」とは? 発症の要因と防止策を専門家が解説

サッカー選手に多発する故障の5つの原因

 ハノーバーの日本代表MF清武弘嗣は、17日のロシア・ワールドカップアジア二次予選カンボジア戦の前日練習で右足第五中足骨を骨折した。残念ながら3カ月近い離脱を迫られることになった。足の甲部分の故障はなぜサッカー選手に多発するのか。横浜F・マリノスMF中村俊輔の専属トレーナーなどを務める新浦安しんもり整骨院入船院の新盛淳司院長に発症の要因や対策などを聞いた。
「第5中足骨骨折は足の甲の小指側の骨の骨折です。この中でも、かかと側に近い骨折はJones(ジョーンズ)骨折と呼ばれます。バスケットボール、ラグビーなどの種目や、サッカー選手にも特に多く見られます。プレー中の方向転換やキックの軸足の際に骨に繰り返しストレスがかかることも、疲労骨折の原因となります。骨癒合(骨が付くこと)に必要な血流が乏しいために、骨がなかなか付かない。そして、再骨折も多い部分です」
 新盛院長は、そう語った。海外リーグでの故障者が続出する第五中足骨骨折だが、ドルトムントの日本代表MF香川真司、元日本代表MF小野伸二(現J2札幌)、同FW玉田圭司(現C大阪)ら歴代の日本代表選手が苦しめられてきた足の甲部分の故障。骨へのダメージの蓄積で発症するケースも多く、再発の危険性も高いけがだという。
 「原因はさまざまな要因が重なって起こると考えられています」と指摘した新盛院長は、発症の要因を5つ挙げている。
1.人工芝など固いグランドでのトレーニング
2.止まりやすいスパイク
3.外側荷重
4.股関節、足首の柔軟性や筋力の問題
5.栄養面の問題
 清武はカンボジア戦前の練習でサウサンプトンDF吉田麻也と競り合った際に負傷したと状況を説明している。カンボジア戦の前日練習など、準備の舞台となったプノンペン・オリンピックスタジアムは人工芝だった。このピッチ状況も影響を与えた可能性がある。

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