聖地がトリコロールに染まった日 フランス対イングランド戦で7万人がテロ犠牲者に哀悼の意

フランス国歌を大合唱

 聖地ウェンブリー・スタジアムが、青、白、赤のトリコロールカラーに染まった。集まった観衆7万人によるフランス国歌“ラマルセイエーズ”の大合唱が響いた。17日の国際親善試合イングランド対フランスの一戦が開催されると、観客や選手、会場に集まった全ての人々が一緒になり、パリで発生した同時多発テロの犠牲者となった129名へ哀悼の意を表した。試合はイングランドがFWウェイン・ルーニーらのゴールで2-0と勝利した。英国営放送「BBC」が報じている。

 世界を震撼(しんかん)させた大規模な同時多発テロにより、惨劇の舞台となってしまったフランスは大きな悲しみに包まれている。フランス代表選手の中にはいとこを失ったMFラッサナ・ディアラ(マルセイユ)や、妹が危機一髪で被害を免れたFWアントワーヌ・グリーズマン(アトレチコ・マドリード)なども含まれる。そうした状況で、開催自体も危ぶまれたこの一戦だが「テロに屈しない」という思いから決行が決まった。

 開催地となったロンドン郊外の聖地ウェンブリーでは、スタジアムに架かる象徴的なアーチもフランスの国旗と同じ青、白、赤の三色に染められ、国歌斉唱の際には観客の手によってスタンドにフランス国旗を描き出した。試合前にはイングランドのデイビッド・キャメロン首相も立会い、犠牲者に向けた黙とうがささげられた。

 

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