【ベスト4決定】 90分間で見せた変幻自在のサッカーが今大会のドイツの強さ

魔の6分間で奮起したフランスの攻撃陣

序盤、フランスは自陣でドイツの攻撃を迎え撃つ慎重な姿勢をとった。ドイツはいつも通り、ゆっくりとしたビルドアップでルーティーン作業を行うかのようにボールを回して隙をうかがう。守備もしっかりと大胆に行っていた。ポイントとなっていたのは、今大会初先発のFWクローゼだった。強烈なプレッシングによって、フランスのGKロリスにバックパスを連発させるように仕向けていた。

その大胆なクローゼのプレスによって、フランスはGKロリスからロングボールを供給する場面が多かった。ドイツのGKノイアーに比べると、キック精度の劣る。彼のキックはボールを相手に渡してしまうことも多く見られた。それがドイツにマイボール率を高めるきっかけにもなる。

フランスは、スタートして6分ぐらい守備に追われた。ドイツは焦ることなくボールを保持するので、フランスはこのまま90分が過ぎ去ってしまうのではないかと錯覚に陥るほどだった。だが、その状況を打開するためにフランスは動いた。そのきっかけを作ったのはFWベンゼマだ。味方からのパスを待っているだけでは何も始まらないので、ドイツのGKノイアーまでプレッシングを仕掛け始めたのだ。ドイツに対してボールを奪い返し、自分たちのサッカーをするという意志を強く表明したのである。

アルジェリア戦でノイアーが再三、ペナルティエリア外への飛び出しを見せたように、そもそもドイツのDFラインは高めに設定している。フランスはDFとGKの間のスペースにロングボールを供給し、ポジショニングを自由に変化させるヴァルブエナを使ったショートパス、中盤のマテュイディの飛び出しによるスペースメイクと自分たちの攻撃を仕掛け、いつもの表情を取り戻していった。

 

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