ライバルであり最大の理解者、香川に叩きつけた挑戦状 清武が示したトップ下と前線の距離感

香川温存で巡ってきたハリル体制初戦チュニジア戦以来のスタメン

 今季からハノーバーの背番号10を身にまとい、9試合に出場して3得点4アシストと結果を残している清武弘嗣にとって、12日のワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール戦は、待ちに待った日本代表でのスタメン出場だった。先月行われた2次予選のシリア戦と国際親善試合のイラン戦にも招集されたが、いずれも途中出場。先発メンバーに名を連ねるのは今年の3月27日、ハリルホジッチ体制初陣のチュニジア戦以来のことだった。

 しかも、ポジションは戦い慣れたトップ下。疲労を考慮して温存となったドルトムントMF香川真司の代役として、攻撃のタクトを振るうことが期待された。

「やっぱり我慢する時間帯のほうが多かった」本人が振り返った試合は、予想どおり相手のシンガポールが自陣に人数をかけて、スペースを消してくる展開になった。「試合前からトップ下にボールが入るのはなかなか難しいかなと思っていた」というなかで、清武が心がけていたのはボールを触ることに固執せず、中央の高い位置にポジションを取り続けることだった。

 本当はもっとリズムを作りたかったですけど、僕が下がったところでボールに触れるだけですし。ハセさん(長谷部誠)と(柏木)陽介くんが常に前を向ける状況だったので、あえて引かずに我慢し続けて真ん中にいようとは思いました」

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