監督の去就問題に揺れるミランとボローニャ ドナドーニをめぐり水面下で駆け引き

ミハイロビッチ監督の後任候補

 リーグ開幕から10試合が経過したイタリア・セリエA。現在、ボローニャは勝ち点6で最下位と苦戦している。日本では、過去に元日本代表MF中田英寿氏や、元イタリア代表FWロベルト・バッジォ氏が所属したことで知られている。このような成績であれば仕方のないことではあるが、イタリアのサッカー情報サイト「カルチョメルカート・コム」によれば、デリオ・ロッシ監督が解任の危機に立たされているという。

 そこで、後任監督の候補として挙がっているのが、元イタリア代表監督でもあるロベルト・ドナドーニ氏。直近の昨シーズンまでは、パルマを率いていた。そのパルマが破産によって4部降格という憂き目にあったことで、今季は所属無しのフリーとなっていた。

 一方で、ドナドーニ氏がボローニャの後任監督に決まった場合、頭を悩ませそうなクラブがある。日本代表FW本田圭佑が所属するACミランもまた、シニシャ・ミハイロビッチ監督の去就問題に揺れているからだ。ここからのキエーボ戦、ラツィオ戦の結果を見て判断するとされているが、複数のイタリアメディアで後任候補として名前が挙がっていたのが、ドナドーニ氏だった。

 元ミランの選手でアリゴ・サッキ監督時代の黄金時代を過ごした経験があるドナドーニ氏は、ミランへの愛情を隠そうとしない。仮にミハイロビッチ監督が解任された場合、クラレンス・セードルフ氏、フィリッポ・インザーギ氏の元監督2名にも年俸を払い続けている状況にあるミランにとって、ドナドーニ氏は高額年俸を提示しなくても監督を引き受けてくれそうな存在としてクローズアップされていた。

 思わぬところで、ドナドーニ氏は水面下でのミランとボローニャによる綱引きに巻き込まれたのかもしれない。また、後任候補が競合したことは、両クラブが現在の監督の去就に関する判断を早める方向に作用する可能性も否定できない。ここからの数試合は、両クラブの試合結果と、決断に大きな注目が集まることになりそうだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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