ハリルJの本田は世界標準のエースなのか? 「3.3%」の数字が示す危険な兆候

イラン戦で示された危険な数値

 果たして、その5日後に行われた13日の国際親善試合イラン戦でも、本田はその輝きを維持できたのだろうか。

[図2]

図2

 イラン戦のパス本数を示した[図2]を見ると、残念ながらパス10本以上を示す赤い線は本田に向かって1本も描かれていない。右のセンターバック吉田から右サイドバックの酒井へ、その酒井からボランチ長谷部へ、逆サイドバック米倉恒貴からも長谷部へ。つまり一列後方の選手へのパスが増えたことになる。

 イラン戦で、日本代表全体が成功したパスは360本。そのうち本田へのパスは12本。わずか3.3%という危険な数値となっている。シリア戦の51本、12%と比較すると、いずれも約4分の1まで低下している。

 本田へのパスが出なかったのは、いくつか理由が考えられる。本田への相手のマークが厳しかったのか、パスの出し手が相手の厳しい守備を受けて出せなかったのか、もしくはその両方か。

 いずれの理由であれ、本田へのパスは激減した。それでも唯一の得点をアシストし、清武弘嗣、武藤嘉紀のカウンターアタックから最後にボールに絡んだ本田の勝負強さは評価したいところだが、これだけ消えている時間が長いとその評価も難しいところだ。残念なことだが、常に今回のイラン戦以上のレベルの試合が行われるセリエAにおいて、出場機会をなかなか掴めていない現状も理解できる。

 

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