代表復帰の柏木がポスト遠藤に名乗り “走るファンタジスタ”が本領発揮へ

今季はボランチに定着

 今季は、浦和でボランチの一角として定着。ファーストステージを無敗で制し、年間順位でも首位に立つ浦和の好調ぶりは、この左利きのテクニシャンが振るうタクトによるところが大きい。昨季、ボランチ起用をテストされた時期に「代表のことを考えたら、ヤットさん(遠藤保仁・G大阪)のところを自分は狙うべきなのかなと思う」と語っていた。それだけに、後方から攻撃の組み立てに関与することを期待するハリル監督のコメントは、願ったりかなったりのはずだ。

 そして、左足の正確なキックから生み出されるセットプレーも期待の一つだ。日本代表の左足のキッカーといえば本田圭佑(ACミラン)がいるが、コーナーキックの場面で柏木がキッカーを務めることによって、フィジカルの強い本田がゴール前の競り合いに参加できるというプラスアルファも生まれる。また、キックの正確性という観点で言えば、本田に勝るとも劣らないはずだ。もちろん、中盤に左利きの柏木が入ることによって、左右バランスよくパスが配球されやすいというメリットもある。

 柏木は、所属の浦和を通じて「東アジアカップはケガのため辞退することになり、残念でしたが、今回選出していただいたことをうれしく思います。久しぶりの代表となりますが、自分の持ち味である運動量やパスでリズムを作り、チームに貢献できるようにがんばってきます」と、意気込んだ。

 アルベルト・ザッケローニ監督が指揮を執っていた2012年2月以来、3年半ぶりの代表の切符は手中に収めた。今度こそ、「走るファンタジスタ」と呼ばれる運動量と創造性を併せ持った輝きを、ピッチの上で放ってくれるはずだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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