オシムさんの言葉

振り返るとイビチャ・オシムさんが立っていた。 ある年のオールスターでの、試合後の出来事。 相手チームのコーチとしてベンチから試合を見ていたオシムさんの褒め言葉だった。 新人のころと同じように嬉しく感じ、私は笑って応えた。 もう一つ、オールスターにまつわる話がある。 その翌年のことだ。 通常、オールスターのようなイベントの前日練習は、短時間のミニゲームからシュート練習で上がるような簡単なものが多いのだが、対戦相手であるJ・EASTの監督だったオシムさんは、 まるで公式戦に備えるかのような雰囲気で指導していた。 EASTのある選手が「やり過ぎですよー」と苦笑いしながら引き上げていったのを覚えている。 ひょっとするとオシムさんにとって、どんなときでもサッカーはお祭りの道具ではないのかもしれない。

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