ヤングなでしこがアジア女王に! U-19女子アジア選手権PK戦で北朝鮮を撃破

交代枠を使い切った後に故障者出すも数的不利危機乗り切る

 ヤングなでしこは29日、中国で開催中のU-19女子アジア選手権決勝戦の北朝鮮戦で数的不利に陥りながらも0-0で突入したPK戦の死闘を4-2で制して見事に優勝。最強の称号をほしいままにした黄金世代がアジアの頂点に立った。
 決勝はここまで4戦全勝で勝ち上がってきた同士の対決になった。日本の前線は4試合で4ゴールの小林里歌子(常盤木学園高)がスタメン出場。中盤でMF杉田妃和(INAC)と長谷川唯(日テレ)がゲームをコントロールした。
 準決勝までの4試合で17得点無失点という鉄壁の北朝鮮に対し、日本は互角以上の戦いを展開していく。日本はシュートチャンスを多く作り、2トップの小林と籾木結花(日テレ)や、杉田、長谷川が絡む厚みのある攻撃を展開した。しかし、ゴールを奪うことはできず、0-0で前半を折り返した。
 高倉麻子監督は後半から長谷川に代えて西田明華(C大阪)を中盤に投入した。同12分には、コーナーキックのこぼれ球から小林がゴールネットを揺らしたが、惜しくもオフサイドの判定。スコアレスのまま試合が進んでいった。高倉監督は、同23分に籾木に代えてスピードと突破力が武器の清家貴子(浦和)を投入するなど、攻撃的に采配を振るった。
 同30分過ぎからは、ゴール前へのシンプルなクロスを多用する北朝鮮の攻撃に手を焼き、自陣に押し込まれる時間が長くなった。だが、守備陣はGK平尾を中心に冷静な対応を見せた。しかし、同33分に投入したMF隅田凛(日テレ)が直後に頭を打って負傷退場するアクシデントが発生。交代枠を使い切っていた日本は10人での戦いを余儀なくされた。後半終了間際には、相手FWにスルーパスから抜け出されて1対1になる形が2度あったが、どちらも平尾が冷静に距離を詰めてストップ。日本の大ピンチを救った。0-0のまま後半終了となり、延長戦に突入した。
 延長に入っても10人での戦いが続く日本は、清家を1トップに残して4-4-1のシステムで戦った。攻撃に厚みを出せない日本は清家がドリブル突破などで打開をしようとするが、単発の攻撃になってしまう。北朝鮮ペースでゲームが続く中、延長後半は北朝鮮に押し込まれ、多くのシュートを受けた日本だが、なんとか耐えて無失点を継続。0-0のままタイムアップの笛が鳴り響き、決着はPK戦にもつれ込んだ。
 このPK戦で、幾度となく日本のピンチを救ってきた平尾が主役となった。日本のゴール前に大きく立ちはだかった。北朝鮮3人目のキッカーのシュートを、右に飛んで見事にストップ。日本は全員が決めて、4-2で勝利。アジアの頂点に輝いた。

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