ベテランという力

受け取る側の意識させえあれば、継承されていくこは多い。 私自身、ベテランと呼ばれる彼らから何かを感じた一人だ。 日韓ワールドカップ大会時の中山さん、秋田さんはチームを大いに支えてくれた。 当時、トルシエ監督は「試合を始めるメンバー」、そして「試合を終わらせるメンバー」という言い方を用いてた。 常に試合に出るためのチーム内競争を求めていた、彼ならではの言い回しだと思う。 通常、Jリーグのクラブは試合に出なかった選手や、途中出場の選手のコンディションを保つために、公式戦の翌日に練習試合を行うことが多い。 ワールドカップ期間中の日本代表も同じく、前日の試合を始めたメンバーが見守る中、 試合を終わらせたメンバーがベースキャンプからほど近いヤマハスタジアムで練習試合をしていた。 中山さんや秋田さんはそのとき、「これは裏ワールドカップだぞ」と言いながら試合に臨んでいた。 彼らはフランス・ワールドカップに主力として出場し、日本サッカーを引っ張っていた存在だ。 そんな彼らが、そときもプレーの一つひとつにおいて、手をぬくことは一切なかった。 そんな姿は、スタメンのメンバーの決意をより固め、 またややもすればモチベーションを失いそうな他の選手たちの気持ちもつなぐとめてくれた。 「あの人たちがやってるのに、自分たちがやらないわけにはいかない」 チームの一体感が増したことは言うまでもない。

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