【W杯詳細分析・韓国-ロシア】両チームに勝ち点1をもたらした守備力 退屈な試合展開の裏側に隠された「ディフェンスの本質」とは

 そんな韓国代表を率いるのはJリーグの柏レイソルや湘南ベルマーレでもプレー経験のある韓国サッカーの英雄ホン・ミョンボ監督だ。対するロシア代表はかつて名門レアル・マドリードやACミランを率いて数々のタイトルをもたらした名将ファビオ・カペッロ監督が指揮を執る。

 韓国は1986年のメキシコ大会以来8大会連続の出場を誇る。韓国以外の8大会連続出場はブラジル、ドイツ、イタリア、アルゼンチン、そしてスペインの5チームだけだ。昨年11月に一度両者は親善試合を戦っているが、その時は2-1でカペッロの軍配は上がっている。韓国の英雄と歴戦の名将の戦いを振り返ってみたい。

 前半の戦いは両チームとも守備的で試合があまり動かず面白くなかったという人もいるかもしれない。力が拮抗していたため、お互い決定的な仕事が出来なかったということだろう。

 データもそれを表していた。

 ロシア-韓国の順番でデータを見てみよう。ポゼッション率は48%対52%、パスの成功率84.3%対87.9%、シュート5本対3本。ほぼ互角にボールを保持し、お互い自陣で敷く固いブロックに悩まされ、ロングシュートしかゴールに向かったボールを蹴り込むことが出来ていなかったというデータだ。

 チームの特徴として見て取れたのは韓国の選手の球際の強さ、激しさ、そして素早い攻撃の意識だ。一方ロシアは徹底したサイド攻撃だ。もちろんデータもその特徴を示している。Duals(フィフティ・フィフティのボールをどちらが奪ったかというデータ)のデータは韓国が26勝15敗(勝率63.4%)と圧倒した。流れの中からのクロスボールはロシア11本に対して韓国は3本だけだ。

 ここでイラストを見てほしい。この図はロシアの徹底したサイド攻撃を表したものだが、これだけ徹底してサイドを攻められるとやはりどこかでスキが生まれてしまうものだ。スキを突くための布石を打ち続けることがロシアの前半のプランだったのだろう。

 韓国対ロシア

 

 

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