不発の永井が見据える過酷なロシアW杯への道 「全てがうまくはいかない」

2試合連続先発も消耗「体力を奪われた感がある」

 日本が誇るスピードスターは不発だった。5日の東アジアカップ第2戦の日韓戦で、永井謙佑(名古屋)は右ウイングで先発出場。初戦の北朝鮮戦に続くスタメンのピッチとなった。
 日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督のゲームプランは、低めに守備ラインを設定したところから素早くカウンター攻撃をすることだった。ピッチ状況も良好とは言えず、細かいパス回しに理想的な環境ではない状況下で、50メートル走5秒8の快足を誇るスピードスターは攻撃の切り札になるはずだった。しかし、右サイドで守備に追われた。肝心の攻撃の場面で良さが出せたとは言い難い状況になった。
「これだけ暑いと、なかなか守備もいって、攻撃も行ってというのは難しい。ヘディングも競っていたので、体力を奪われた感がある」
 一度ボールを保持して全体を押し上げる時間帯を作りたかったが、永井に限らずチーム全体に奪った後の1本、2本のパスやトラップにズレが目立った。技術的な拙さが散見する状況で、すぐにボールを奪い返されてまた守備に回るという悪循環に入り込んだ。そして、消耗の度を深めた。
 永井自身も「全部が全部、速攻はできない。キープできる時はしてくれと言っていた。監督も組み立てながら、全部いくのではなく、判断しながらやろうと言っていた」と、キープする時間を作るプランも存在したと語るが、中国の悪いピッチ状態も重なり、劣勢に追い込まれた。
 それでも、「手応えは2戦目の方があった。失点もPKだけだった」と永井は前を向く。チーム全体としては初戦の北朝鮮戦から向上した面があると手応えを語った。ハリル監督は、就任以来「素晴らしいスピードを持っている選手」と永井を高く評価。常にメンバーリストに加えている。
 永井自身はワールドカップ予選からロシアでの本大会へ向けた道のりを見据えてもこう語る。
「全てがうまくはいかない。一つ一つ積み上げたい。次は(東アジアカップの)最終戦、しっかり準備して戦いたい」
 9日に控えた開催国である中国との一戦は、東アジアカップ優勝の可能性が消滅した中で迎える。それでも、その後のロシアへの道を見据え、貴重な試合として捉えて戦うつもりだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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