見えてきた課題 なでしこ猶本が成長するために身につけるべき能力とは

プレーの質と正確性

 なでしこジャパンMF猶本光(浦和)は、「試合の入りに失敗した」と悔やんだ。4日の東アジアカップ第2戦の韓国戦で、上辻佑実(日テレ)とのボランチコンビでスタメン出場したが、チームは1-2で逆転負けを喫した。
 序盤から最終ラインでボールを持つ味方からパスを受けるために積極的な上下動を繰り返したが、相手の陣形が整っているところに味方にとって厳しい縦パスを入れてしまい、前を向ける状況でもバックパスをしてしまう場面が目立った。それに呼応するように、チーム全体がややバタバタした立ち上がりになってしまった。
「落ち着くまでに時間が掛 かったのが課題。ピッチもそうですし、相手の位置をよく把握できていなかった。どこからプレッシャーが来るかをもう少し把握できていれば、実際にピッチに立って相手のポジションが分かりづらく、試合前からのイメージと違った」
 運動量が豊富なのは、彼女の大きな持ち味だ。自身も「運動量は私の持ち味であり良さなので、続けてやっていきたい」と、高温多湿な環境下でも走るという部分では手応えを得た。この日のプレーを見ても、ボールタッチの数は申し分なかった。ただし、その分、ミスの多さが目立ったという側面もある。数多くプレーに関わっているだけに、ボールを受けた後のプレーの質という面で大きな課題が残った格好だ。
 それでも、後半に入るとチームのリズムが好転す る中に自身の居場所を見つけられた。特に浦和でもチームメートで右サイドに入ったMF柴田華絵とは、良好な関係を見せた。「後半はハナ(柴田)に、もう少し中に関わってくれと言いました。また、相手の守備が甘くなってスペースができ、間延びしてきました。その間にハナが入ってボールを受けられるようになったので、ボールを展開できたと思う」と、ゲーム中に相手の弱点を突く修正を施すことができた。ゲーム全体を見渡す眼はボランチにとって不可欠なものであり、その点でも1つの手応えを得ることができた。

 

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