内田が必死の思いでたどり着いたブラジルの地 「この2分で、この4年間を無駄にするわけにはいかない」

「ここでグッと力を出せないようじゃ、上に行っても勝ち進めない。2失点目は先制点の何分後だった? 2分間? ひとりひとりがせっかく4年間準備してきた。この2分で、その4年間を無駄にするわけにはいかない」

 そう言葉を振り絞った内田は、右サイドバックとして先発フル出場を果たした。前半21分には、アグレッシブに仕掛けた。本田からのパスを受けると、相手エリア内へと一気に進入。巧みな切り返しでDFをかわしたが、左足で放ったシュートは相手GK正面へと飛んだ。

 前回の南アフリカワールドカップ(W杯)では本大会直前にスタメンから外れた。自身にとっては初めての大舞台だったが、不敵な笑みを浮かべるなど、ひょうひょうとしたプレースタイルは変わらず。普段通りを貫いた。

 昨季右太ももの肉離れでW杯に間に合うか危ぶまれていた。527日のキプロス戦でゴールを決めた際、日本サッカー協会の早川直樹トレーナーに抱きつくなど決死の思いでリハビリに取り組んで初戦に間に合わせた。

 だが、その執念も、アフリカのタレント軍団に打ち砕かれた。ドログバの途中投入で浮足立った末に、後半19分の ウィルフリード・ボニーの同点弾を許し、同21分にジェルビーニョに決勝点を許した。いずれも相手の右サイドバックのクロスからヘディングという形だったが、わずか2分間の空白で天国から地獄へと転落した。

「何試合か(親善試合で)先制されていたんで。守りから入って、先制点を奪うまではプラン通りだった。自分たちのやりたいサッカーをできれば勝てるけど、それは相手もいることなんで。勝ち点を拾ってくるという、(相手の)底力を感じた」

 試合開始直後はW杯決勝トーナメント進出経験のないコートジボワールも浮き足立ち、本田圭佑はその間隙を縫って強烈なシュートを突き刺した。千載一遇のチャンスを生かして先制したが、ザッケローニ監督が4年間貫いてきた攻撃サッカーは影を潜めた。日本は、勝ち点3を確実に手にするほどの力をブラジル大会の初戦では見せられなかった。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

 

※ワールドカップ期間中、サッカーマガジンゾーンウェブが記事内で扱うシーンやデータの一部はFIFAワールドカップ?公式動画配信サイト&アプリ『LEGENDS STADIUM』で確認できます。
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